どうもありあけです。
今回はおすすめ漫画『サマータイムレンダ』のまとめ・感想・おすすめポイントを紹介していきます。
ずばり『サマータイムレンダ』とは
青春 | |
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サスペンス | |
戦術性 | |
バトル | |
おすすめ度 |
という漫画です。
ひと夏のサスペンスバトル漫画が読みたい
「影」と「ループ」を掛け合わせた深い設定の漫画が読みたい
単行本13巻で完結するくらいの長さの物語がすき
最近はアニメ化もされています。
和歌山市が官民一丸となって推していて、モデルになった無人島「男木島」・「友ヶ島」も聖地巡礼として話題になっております。
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『サマータイムレンダ』ってどんな漫画?
幼馴染の潮が死んだ―――。
その報せを聞き、故郷の和歌山市・日都ヶ島に帰ってきた慎平。家族との再会。滞りなく行われる葬儀。
だが島にはある異変が…?
ひと夏の離島サスペンス!!
週刊少年ジャンプ公式サイト
『サマータイムレンダ』(作者:田中靖規)は『少年ジャンプ+』で、2017年10月から2021年2月まで連載されました。単行本は完結済みで全13巻です。
おすすめポイント3つ
青春漫画じゃなくてサスペンスバトル漫画
「影」と「ループ」の2つの掛け合わせがすごい
キャラに感情移入するとさらにエモい。
一つずつ語っていきます。
①青春漫画じゃなくてサスペンスバトル漫画
おすすめポイント1つ目は青春漫画ではなくサスペンスバトル漫画、ということです。
第一印象はひと夏の青春漫画にもみえますが、内容は違います。
キービジュアルでも銃とか包丁とかネイルガン持ってるでしょ。
『サマータイムレンダ』は数百年前から人間とすり代わり島に巣食う「影」との戦いの物語です。
前半はその正体を突き止めるサスペンス漫画でもあり、
後半は「影」と「ループ」の特性を活かしたバトル漫画でもあります。
恋愛要素も少しありますが、世界の命運をかけた死闘の間に進行する程度です。
単行本は全13巻が中だるみなくラストまでしっかり描かれています。
②「影」と「ループ」の2つの掛け合わせがすごい
おすすめポイント2つ目は「影」と「ループ」2つの設定の掛け合わせがすごい、ということです。
物語のキモになる「影」と「ループ」それぞれの設定について見ていきましょう。
影(トッペルゲンガー)
「影」とはいわゆるトッペルゲンガーです。
漫画ではオリジナルは漢字(潮)、影はカタカナ(ウシオ)で表記されています。
・敵ボスであるハイネからうまれる。ハイネが死ぬと全ての影は死ぬ
・影は人間・モノの情報をスキャンしコピーを産み出すことができる
・人間から遺伝子・容姿・記憶などを取得できる
・足もとの影を傷つけられると生命線である情報が損傷する
・大きく情報が損傷すると影は死ぬ
主な特徴は上記のとおりですが、もっと細かい設定もあります。
例えば、影は人間だけでなく物体も対象にして情報をスキャン・コピーできます。
そして、猟銃、包丁、ネイルガンをスキャンして情報をインプットするとコピー品をアウトプットすることができます。
スキャン時に「弾丸が満タン」の状態なら、そのあと何回アウトプットしても「弾丸は満タン」のままなので、実質タマ切れの心配がなくなる、というメリットがあります。
しかしコピー品はアウトプットした影から50m離れると使えなくなるといったデメリットもあるので、
バトルでは接近戦にコピー品、狙撃にはオリジナルの猟銃を使う、といった影特有の戦術が展開されます。
バトルは一見して脳筋の肉弾戦のようで、影としての能力を軸としたテクニカルな情報戦・心理戦です。
ループ(死に戻り)
「ループ」とはいわゆる「死に戻り」です。
・慎平が死ぬと7月22日のある地点(始点)に戻る
・死んだときの記憶はループ後も持ち越せる
・始点は時間の経過とともに未来にすすんでいる
・始点が死を追い越すとループができず死が確定してしまう
「死に戻り」は「本人が死ぬと過去に戻り、記憶は次回に受け継がれる」というものです。
サマタイでもループにより慎平は記憶を受け継ぎ自分や仲間が死ぬ未来を回避していきます。
しかしサマタイのループは回数を重ねるごとに始点が動きやがて死が確定してしまう、という弱点があります。
話が後半になり状況が切迫していくにつれて、たった一つの判断ミスや遅れが取り返しのつかない確定事項になってしまうのです。
そして後半が始まるとにすぐ敵ボスのハイネにループの弱点に気づかれてしまいます。
ウシオの能力
ヒロインであるウシオの特徴・能力にも触れておきましょう。
普通の影にはできないことができます。
・潮のコピーしたとき影として人格や記憶を上書きして消えてしまった。
・影としての潜在能力がとても高い。
・慎平のループについていくことで時間をさかのぼることができる。
・影の情報にアクセスして情報の修正・削除(ハッキング)ができる。
・体験した情報を触れた相手と共有できる。
ウシオは影でありながらオリジナル(潮)と同じ記憶・性格を完全コピーしているので、人間側として戦います。
影としての潜在能力がとても高く、守られるヒロインではなく人間側の最高戦力です。
「影」と「ループ」を掛け合わせた複雑な設定
サマータイムレンダの真髄は「影」と「ループ」を矛盾なく両立させているといる点です。
「影」という設定にサマタイ独自の設定が追加されただけでも複雑ですが、
「ループ」という設定が掛け合わさることで、読者に頭を使わせてくれる漫画になっています。
ウシオはスキャンした武器や敵の情報を、ループで過去の味方に伝えることができます。
慎平とウシオ以外の者にも情報を共有することで擬似的にループさせ、みんなでハイネと戦います。
- 「影」の中でも特別高い能力をもつウシオとハイネ
- 「ループ」ができる慎平とハイネ
慎平とハイネどちらか一人だけではハイネには勝てません。二人でないとダメなのです。
ハイネも影の能力とループ能力をもつので、とても複雑な戦いになります。
主人公たちはループ能力でめでたしめでたしとならず、敵もめちゃめちゃ強いです。
「影」と「ループ」をふんだんに使うサマタイは一度読むだけでは完全には理解できません。
2度3度読み返して「前回あのときスキャンしたデータをココでつかうのか!」となります。
読めば読むほど練りに練られた構想に驚きます。
アニメも動的でよいのですが、じっくり読める原作をおすすめします。
ぜひ購入して何度も読んでみてください!
③キャラに感情移入するとさらにエモい
おすすめポイント3つ目はキャラの感情に注目するともっとおもしろい、ということです。
澪とミオ
慎平に好意を寄せている澪とミオを見てみましょう。
記憶も恋心もコピーしたミオですが性格が少し違います。
澪とミオは潮に少なからず嫉妬しておりますが、ミオは澪よりも露骨に嫉妬心や苛立ちをみせる場面がいくつかあります。
ウシオのハッキングにより味方になった後は、自分の気持ちを押し殺す澪に発破をかけます。
これは澪をからかっているのではなく、ミオの恋心も本物だからこそオリジナルである澪の背中を押しているのです。
ミオは澪を殺せないし、ハイネを倒しても影の自分は消えてしまいますので。
澪への発破をかける態度は軽薄そうに見えて強い意志を感じます。
こういう読み方をすると、感情の起伏が乏しいミオもエモいのです。
潮とウシオ
「ウシオ」と「潮」のアイデンティティーについて見てみましょう。
ウシオは潮のコピー時に影として本能や記憶を上書きしてしまい、自分をオリジナルだと思っていました。
しかし潮と行動するうちに自分が影であることに気づきます。
自分のアイデンティティーが揺らぎ、自分が影であることに気づいたウシオは激しく動揺します。当然ですよね。
しかし一度共闘した潮は自分の影であるウシオを当たり前のように味方とみなします。
そんな潮にウシオがどれだけ救われたのか、どれほど感謝したのか、
一コマ一コマの表情が細かく描かれています。
ウシオのアイデンティティーの揺らぎの一喜一憂が個人的に大好きです。
物語序盤ですでにヒロインが死亡しているので残ったのはサスペンスとバトル要素だけ、ではありません。
視点を変えれば、潮がウシオを認め、そんな潮が自分を庇い死んで、あとを託されたウシオは「少しでも借りを返すために」慎平たちとともに戦います。
これはヒューマンドラマといえるでしょう。
潮もウシオも報われるラスト
ラストは潮もウシオも報われるラストになっていました。
死闘の末にウシオの力が覚醒し、ハイネが根源から排除されたルートで慎平は潮と再会を果たします。
ハイネが消えると全ての影が死ぬ。影であるウシオは消えてしまいます。
潮が死なないルートで慎平との再会が果たされても、最後に潮だけが残りウシオは報われない気がします。
しかし最後の最後で「たこやきを好きなだけ奢る」という、ウシオと慎平の約束が出てきます。
これは力が覚醒したウシオが消える前に何らかの形で記憶に介在し、ウシオの記憶を潮と慎平に渡したのでしょう。
ウシオが潮をコピーした物語の最後には、潮の中に一部ウシオがいる形になりました。エモい。
過去を改変したことでウシオが初めからいなくなったわけではありません。
潮とウシオの両ヒロインが報われる完璧なラストでした。
まとめ
ひと夏のサスペンスバトル漫画が読みたい
「影」と「ループ」を掛け合わせた深い設定の漫画が読みたい
単行本13巻で完結するくらいの長さの物語がすき
青春漫画じゃなくてサスペンスバトル漫画
「影」と「ループ」の2つの掛け合わせがすごい
キャラに感情移入するとさらにエモい。
この夏に見つけた名作です。
みなさんにも全力でおすすめしたい漫画です。
今日はこの辺で、またね。