ありあけの雑記ブログ
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マンガ

『可哀想にね元気くん』の感想。加虐性癖の男子高校生と支配系ヒロインによる青春漫画です。

どうもありあけです。

今日は『可愛想にね、元気くん』(作者:古宮海)を紹介します。

この漫画は「ディープな性癖をもつ高校生たちのラブロマンス」です。

ずばり『可愛そうにね、元気くん』とは

ラブコメ2 out of 5 stars (2 / 5)
性癖の倒錯度4 out of 5 stars (4 / 5)
バイオレンス4 out of 5 stars (4 / 5)
鷺沢守の存在感5 out of 5 stars (5 / 5)

という漫画です。

アブノーマルな学園恋愛を知りたい

圧倒的存在感を放つ支配系ヒロインを見つけたい

「実は自分はMなのかもしれない」と思っている

『週刊ヤングジャンプ』で2019年3月から2020年12月まで連載されました。

単行本全8巻で完結済みなので、「この漫画いいな!」と思ったひとはどうぞ!

一気に読みやすい長さなのでレンタルでも購読でも読みやすいです。

ありあけ
ありあけ
ラストまで読んだ人は間違いなくマンガ上級者です!

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ありあけと著作権者がwin-winになればいいなと考えております。

『可愛そうにね、元気くん』ってどんな漫画?

加虐性愛を彷彿とさせる性的倒錯を抱えた高校生の少年廣田元気は、同級生の八千緑七子に対して恋愛感情と同時に彼女が負傷する様や、彼女を痛めつける妄想に性的興奮を覚えていた。

八千緑は、廣田の暮らす地域で有名な和菓子屋生まれで、弟と何かと比され「出来の悪い上の子」と揶揄される少女だった。

どんくさい彼女は頻繁に負傷し、その際に浮かべる扇情的な表情に、廣田は長らく妄想していた理想の異性を重ねていた。

廣田は欲望を発散すべく、八千緑を模したキャラクターが徹底的に痛めつけられる漫画を描いていた。

可愛そうにね、元気くん – Wikipedia

『可愛そうにね、元気くん』は『週刊ヤングジャンプ』にて、2019年3月から2020年12月まで連載されました。

加虐志向の性癖を抱えた主人公というだけでもデリケートな題材ですが、物語はちゃんと成立しています。

おすすめポイント3つ

主人公もヒロインも性癖が倒錯してる

中毒性MAXの支配系ヒロイン鷺沢守にハマる

賛否あってもラストはこれでよかったとおもう

1つずつ語っていきます!

①主人公もヒロインも性癖が倒錯してる

『可愛そうにね、元気くん』第1話
『可愛そうにね、元気くん』第1話

1つ目は主人公もヒロイン2人も他の登場人物も性癖倒錯を抱えているところです。

主人公の元気くんは歪んだ性癖に悩みながらも、ネットで自作した凌辱漫画を公開し性癖を抑えています。

しかし、漫画が鷺沢さんにバレてしまい、八千緑さんとの関係が発展するにつれて自信の性癖をコントロールできなくなっていきます。

関係を続けるためとはいえ現実に暴力を振るう罪悪感に元気くんのメンタルが削られていきます。

第一のヒロインである八千緑さんは一見ただのドジな女子校生です。

しかし実はある性癖倒錯を抱えています。序盤から伏線はありますが具体的には明かされません。

その倒錯は長い年月をかけて、人格の奥深くに根付いていたのです。

この漫画は彼女のトラウマ克服の物語でもあります。

第二のヒロインである鷺沢守は男への支配欲求を自覚し、暴力性をカモフラージュしながら自分の性癖を肯定し好きなように生きています。

物語の後半からは三者の性癖倒錯の原因になったそれぞれの過去がクローズアップされます。

登場人物たちに同情できる点もあるはずです。

生きていると環境や小さなきっかけで一時的にでも考えが偏ってしまってしまうものです。

鷺沢守の暴力シーンなど不快な場面も多く賛否ある漫画だと思いますが、『こいつら全員頭おかしい!」で終わらせるのはもったいない漫画です。

3人の過去や性癖との向き合い方の違いに注目して読むとさらにおもしろいですよ。

②中毒性MAXの支配系ヒロイン鷺沢守の存在感がすごい

『可愛そうにね、元気くん』第3話

2つ目は圧倒的な存在感をもつ鷺沢守という支配系ヒロインです。

鷺沢さんというキャラを見つけただけでもこの漫画を読む価値があります!

鷺沢さんは第二ヒロインのポジションですが、その存在感は作中随一です。

普段は天使のような容姿と学校中から好かれる振る舞いでまさに「優等生」ですが、

本性は自分の欲求を支配するためには脅迫や暴力、住居侵入までやらかす「悪魔」です。

「小悪魔」ではなく「悪魔」です。

ヒロインとして魅力的なポジションと支配者としてのポジションを両立させてしまった新しいヒロインです。

自分専用のおもちゃである元気くんが他人に追い詰められると、激しい怒りを感じ相手を撃滅します。

「実は味方なのでは?」と勘違いしそうになってしまいます。しかし勘違いしないでください。鷺沢さんは自己の利益を考えているだけです。

他の漫画を含めても屈指のニュータイプのヒロインです。

『可愛そうにね、元気くん』第3話
『可愛そうにね、元気くん』第3話
『可愛そうにね、元気くん』第3話
『可愛そうにね、元気くん』第4話
『可愛そうにね、元気くん』第4話

鷺沢さんはモラハラ従兄弟宅へ居候していたという経歴から男に萎縮してしまう性質でした。

しかし、あることをきっかけに男への恐怖心が逆転し、男を支配することを喜びとする支配性癖に目覚めてしまいます。

ずっと不可能だと思っていた反撃を達成してしまったことで、「男を支配することは簡単で楽しい」という考えに至り、男への強い嫌悪感から一気に性癖がねじ曲がってしまったのです。

『可愛そうにね、元気くん』には多くの性癖倒錯した人物がいて、レズビアン・加虐性的指向・などがありますが、

  • 加害性はない
  • 他人を巻き込まず自分の中で完結させている
  • 性癖倒錯については改善したいと考えている

といったこと点を考慮すると「歪んでいる」と言い切れるキャラは意外と少ないです。

しかし、上記の点を考慮しても鷺沢さんは間違いなく歪んでいるといえます。

途中で鷺沢さんから元気くんへの執着はかすかに恋愛感情を含んでいることを示唆するような描写もあります。

『可愛そうにね、元気くん』第34話
『可愛そうにね、元気くん』第34話
『可愛そうにね、元気くん』第34話
『可愛そうにね、元気くん』第34話
『可愛そうにね、元気くん』第34話

しかし、これに対する明確な答えは鷺沢さんから発せられることはありませんでした。

単行本第8巻の巻末で完結後に登場キャラたちが集まる同窓会エピソードがありますが、そこでも職業その他も不明のプロフィールという謎めいたヒロインとして完結しました。

ヒロインとしても支配者としても存在感が強すぎて、『可愛そうにね、元気くん』を読んだあと、鷺沢守というヒロインを思い出さずにいられません。

③賛否あってもラストはこれでよかったとおもう

『可愛そうにね、元気くん』最終話

3つ目はラストの引き際が良かったことです。

単行本では10巻くらいで完結かな、と思っていたのですが、ラスト2巻は駆け足気味に展開が進み完結しました。

ネット上など一部では「展開が早すぎ」「打ち切られたのでは?」などといった意見も見られましたが、個人的にはこのラストでよかったと思います。

連載が続く作品では完結を先伸ばしにしてしまうくらいなら、少し短いくらいで完結した方がいいと思います。

八千緑さんは性格のトラウマを乗り越え自己を肯定し新しい人生をはじめました。

元気くんは八千緑さんと続けていた歪な関係を解消しました。性癖を完全に消すことはできず漫画制作による性癖解消は継続していますが、自分の過去と向き合い、被支配への欲求を認めたうえで鷺沢さんに別れを告げました。

鷺沢さんはラストの感情描写が明確ではありませんが、元気くんとの関係が終わり何を思ったでしょうか。

急展開ながらも、登場人物の性癖倒錯の原因も描かれおり、綺麗な終わり方だと思いました。

もうすこし続くラストがあったとすれば鷺沢守を掘り下げたエピソードが読めたかもしれませんが、

この終わり方だったからこそ鷺沢守の余韻がいつまでも残り続ける内容だったとも思います。

鷺沢守がホントに忘れられなくなりました!

まとめ

ラブコメ2 out of 5 stars (2 / 5)
性癖の倒錯度4 out of 5 stars (4 / 5)
バイオレンス4 out of 5 stars (4 / 5)
鷺沢守の存在感5 out of 5 stars (5 / 5)

主人公もヒロインも性癖が倒錯してる

中毒性MAXの支配系ヒロイン鷺沢守にハマる

賛否あってもラストはこれでよかったとおもう

これからもおすすめ漫画をどんどん発信していくのでよろしくお願いします!

またね。