今回は『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』を紹介します。
この漫画は単行本3巻で完結します。
「人生の価値とは何で決まるのか」を教えてくれる名作です。
『寿命を買い取ってもらった。』は、すばり
青春 | |
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おすすめ度 |
単行本3巻で完結する名作が読みたい
貴重な連休を全力で過ごしたい
最近は人生の価値や意味について悩んでしまう
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『寿命を買い取ってもらった』はどんな漫画?
毎日を無気力に過ごしていた青年クスノキは、ある日寿命を買い取ってくれる不思議な店の噂を耳にする。
金に困って寿命の大半を売り払った彼は、余命3か月を「監視員」のミヤギと共に過ごすことになるが…。
三秋縋の人気小説「三日間の幸福」を完全コミカライズ。
週刊少年ジャンプ公式サイト
おすすめポイント
前半は絶望感MAXのうつ展開
寿命わずか数日のクスノキに嫉妬してしまう
くすぶった主人公クスノキに自分を重ねてしまう
「人生の値段」を利用したクスノキ
前半は絶望感MAXのうつ展開
物語の前半はこれでもかと鬱展開が続きます。
画家になるという夢に挫折し、人間関係も希薄な大学生のクスノキは30年分の寿命を売ります。
30年間をたった30万円で。
待っていた将来はまさしく価値のないものでした。
将来を見限ったクスノキは、残り3ヶ月の命で心残りのある人たちに会いにいくことのします。
自分の人生に向き合うスノキでしたが現実は過酷よりもひどかったのです。
クスノキが前向きな行動をしてもすでに詰んでいます。
脈ありと思っていた女性は数ヶ月で関わりがなくなり
親友と思っていた友人とも大喧嘩をして
果ては、幼少期に結婚を約束した相手はずっと自分を憎んでいた、という最悪の展開です。
前半に救いは皆無です。
しかし現実に直面し未来を向いた時、クスノキの本当の人生が始まります。
『一万円で買い取ってもらった』は第9話とそれ以降の後半にわかれます。
寿命わずか数日のクスノキに嫉妬してしまう
後半からはクスノキの人生が輝いていきます。
ようやくクスノキが人生のスタートラインに立ちました。
素晴らしい人生かどうかはわかりません。
しかし寿命わずかのクスノキに嫉妬してしまう読者もいるはずです。
主人公たちの最後は最高の3日間だったに違いありません。
クスノキのどこに嫉妬するのでしょうか。
自分の才能を確信したからでしょうか。
恋愛を実らせたからでしょうか。
もっと大切で普遍的なことだと思います。
僕は寿命残り3日のクスノキに、たしかに嫉妬しました。
最高の人生ってどんなものなのか。
この漫画を2回目読み直してわかった気がします。
自分の好きなことをしてみること
他人と比べないこと
過去にとらわれないこと
自分で選ぶこと
抽象的ですが、これらが大切なのではないでしょうか。
幸せの一つの例を知りたい人は読んでみてください。
初めからもう一度読み返したくなるはずです。
短い物語の中に多くの伏線があることがわかります。
くすぶった主人公クスノキに自分を重ねてしまう
主人公のクスノキの生き方と虚脱感に自分を重ねてしまいます。
子供時代は自分で要領が良く将来何者にもなれると思っているところや、中学あたりでつまずくところがとてもリアルです。
しかし、人生を諦めるほどの状況ではありません。大病はしていないしまだ20歳です。なんとかなりそうです。
自分が持っていた才能を見失っていて、信頼できる人間関係も持ってなかった、それだけです。
自殺願望を抱く瞬間はたまにあることです。
寿命売ってしまいたくなるなど、クスノキの心理描写は生々しくて引き込まれます。
「人生の値段」を利用したクスノキ
この物語では客観的に評価しやすい価値が優遇されています。
よくよく考えれば寿命を買い取る割にとても俗っぽい価値基準な気がします。
主人公は美術の歴史に名を残したかもしれない1ヶ月を捨てミヤギを救いました。
これはクスノキの寿命に値段をつけたことに対する最高の意趣返しにもなっています。
人生に値段をつけるのはあたかも自分でないように見えて、他人でもないからです。
この物語は何者かによって根付けられた人生の価値を利用して、最高の人生を生きた2人の物語です。
あるおじさんと少女のスピンオフが中盤に書かれていますが、物語全体の伏線にもなっていると同時に、寿命を売らなかった人生も描かれています。
この漫画最初から最後まで名作ですばらしいんです。
まとめ
前半は絶望感MAXのうつ展開
寿命わずか数日のクスノキに嫉妬してしまう
くすぶった主人公クスノキに自分を重ねてしまう
「人生の値段」を利用したクスノキ
幸せや人生の価値について考えることができて、きっと連休を有意義に過ごしたくなります。
たった3巻の単行本を忘れなくなる名作です。
今日はこの辺で。またね。