こんにちは、ありあけです。
今回はおすすめの漫画『ゴールデンゴールド』(著:堀尾省太 先生)を紹介します。
まだあまり知名度はありませんが、Twitterなどではすでに「面白い!」と話題になっているみたいです。
ゴールデンゴールドは『月刊モーニングtwo』によって2015年12月号から連載されています。
こんな人におすすめ!村おこし発展系のマンガがすき
斬新な神様をみてみたい
サスペンスとホラーとギャグの混合物がみたい
ジャンルはサスペンスホラーとなっていますが、サスペンスとホラーにギャグが絶妙な比率で入っており、それが人気の根源のような気がします。
現在は単行本が第8巻まで発売されていますが、電子書籍で発売日と同時に購入しています。
読みたくなったらぜひ購入してあげてください。
あらすじ
現れたのは、福の神!? 島に降るのは、金か、血か——。
早坂琉花(はやさかるか) 、中学2年生。
他人の心の機微に聡く、内地の中学に上手くなじめなかった彼女は、両親のもとを離れ、祖母の住む瀬戸内の島で暮らしている。
海で拾った「福の神」らしき置物に、琉花が願掛けをすると、置物そっくりな謎の異形が現れ!?
引用元:ゴールデンゴールド|モーニング公式サイト
フクノカミは地元の人には一般人に見えるが、島外から来た人間には動く不気味な人形、つまり本当の姿が見えるという能力です。
フクノカミはヒト・モノ介入し、町に人と金を集めていく。また本当の姿が見える人の中にも、フクノカミの能力を自分の利益のために利用しようとする人が出てきます。
『ゴールデンゴールド』のおすすめポイント
寂れた離島がみるみる発展していく
おもしろポイント一つ目は、フクノカミの力によって架空の離島「寧島」が異様な発展していくところにあるとおもいます。
主人公の家は10年近く宿泊客のいない商店兼民宿だったのですが、フクノカミが来たとたんに来客が絶えず民宿は満室になるようになります。
主人公の祖母が経営していた小さな商店はやがてコンビニ、ショッピングモールと規模を拡大していき、民宿も2号店、3号店・・・と増えていきます。
さらには主人公の家だけでなく島全体が繁盛し始め、かつて廃れた離島にヒト・モノ・カネが集まってきます。
資本主義では将来の利益を見越してまず資金を借り入れます。将来への期待が大きくなれば借入の額も大きくなります。
小さな町がどこまで発展していくのかという期待と興奮を覚えると同時に歪な発展に不安を抱かずにはいられません。
キモカワなフクノカミとの絶妙な存在感
そして、ギャグとシリアスが絶妙な比率で混ざり合う、フクノカミと主人公一家の共同生活がはじまります。
なんと敵と主人公が一つ屋根の下で住み始めます。
琉花はフクノカミの本当の姿が見え、目まぐるしい発展の歪さに追い出したい気持ちが募りますが、経済は繁盛に繁盛を重ねます。
島外の人間にはフクノカミは本当の姿が見えますが、金儲けを優先し見て見ぬ振りする者たちも現れます。
得体の知れない物体だが金儲けさせてくれるのなら、まぁいいや、みたいな。
地元組合、出世狙いの刑事、他人の「福」の強さが見える夢追い人まで、自己の利益のためにたくましい立ち回りには呆れつつも感心します。
実際こんな人たちは現実でもいそうな気がします。
この絶妙に納得してしまうフクノカミと人間たちの距離感が斬新です。
どこか人間臭いフクノカミ
人間の利己的な振る舞いも面白いですが、フクノカミ自身の振る舞いも実はとても人間臭いです。
異次元の存在で強い力がもちつつ、存在の根源となる琉花の願いの中でなければ存在できずミイラに戻ってしまいます。
主人公に嫌われすぎると都合が悪いといった弱点があります。
主人公の心境がフクノカミに強い影響力を持ち、主人公の感情次第で元気なくなったりします。
主人公とはうまくやっていきたいので、主人公に木刀でぶん殴られても逃げるだけでやり返したりはできません。
他人の祈り(信仰心)を集めるために他人を操ったり、相手によっては人間でも手を結ぼうとするなど、どこか打算的で、人間臭い部分があり、ただ完全無欠ではない親しみやすさがあります。
フクノカミの主な特性としては
人と金を集める
喜びや満足感からくる祈り(信仰心)を吸い取りさらなる力にする
自分以外の神仏への祈りはエネルギーにならない
島の出身者には姿を錯覚させ島外の人には正体がみえる
主人公のはじめの願いが存在の根源になっている
これ以外にも細かい設定がたくさんありますがとても書ききれないので購入して読んであげてください。
この漫画を読んでいると、神様ってなんだろうと考えてしまいます。ついつい人間を基準に考えてしまいがちですが、この漫画の「フクノカミ」は違います。
フクノカミの目的は人に金儲けをさせたり、幸せにすることは目的ではありません。
「より多くの祈り(信仰心)を得てさらに強大になっていきたい」が目的です。
金儲けや経営に高い潜在能力を持つ祖母と強くリンクし、個人商店の拡大、組合の強化、街を発展させ、公共事業を誘発させて、人間を金銭的に豊かにすることで祈りを増やしていきます。
そのために邪魔なものは排除し、利用できるものは利用します。
フクノカミの力が絶大ではありますが、本質的な部分は人間と変わらず利己的で、極度の自己中心的。目的のためには多少のことに目を瞑ります。とても人間臭いのです。
キャラ設定、ストーリー、伏線からどんな結末を迎えるのか、色んな要素のバランスが斬新な良作です。
是非友達に勧めたい漫画です。
それじゃあ、またね。