今回はおすすめ漫画『推しの子』(原作:赤坂アカ、作画:横槍メンゴ)のおもしろさを紹介しす。
ずばり『推しの子』とは
芸能界の雑学 | |
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復讐 | |
感情移入 | |
ストーリー | |
おすすめ度 |
といった漫画です。
芸能界を題材とした復讐モノを読みたい
芸能界のドロドロな側面や裏事情に興味がある
芸能人への誹謗中傷や過度なプライベート報道に違和感を感じることがある
『週刊ヤングジャンプ』で2020年21号より連載中で、単行本は第12巻まで発売してます。
単行本第1巻でファンを獲得し、快進撃を続ける「推しの子」は文句なしのおすすめです。
「推し」はじめるなら今でしょ!
推しの子ってどんな漫画
地方都市で、産婦人科医として働くゴロー。芸能界とは無縁の日々。
一方、彼の“推し”のアイドル「B小町」のアイは、スターダムを上り始めていた。
そんな二人が“最悪”の出会いを果たし、運命が動き出す…!?“赤坂アカ×横槍メンゴ”の豪華タッグが新たな切り口で芸能界を描く衝撃作!!
「推しの子」のおもしろさ
とりあえず単行本の第1巻を読んでほしい
芸能界の内情や裏事情が新鮮である
登場人物に感情移入がとまらない
芸能人への過剰な報道姿勢や誹謗中傷への疑問が散りばめられている
とりあえず単行本の第1巻を読んでほしい
とりあえず「推しの子」は単行本の第1巻を読んでください!
この漫画のおもしろさがこれでもかと詰まっています。
表紙と序盤だけ見れば天才アイドルの子供に転生したドルオタ双子のコメディにみえるでしょう。
実際に単行本の終盤を除いてギャグやエンタメ要素が強いです。
しかし単行本1巻を読み終わったときにはその印象は吹き飛んでいるでしょう。
天才アイドル星野アイが殺されたことで復讐劇に早変わりするからです。
単行本第1巻だけで「推しの子」のおもしろさを知るには十分でしょう。
誰かにおすすめするときは「とりあえず第1巻を読んでみて?」とだけ言いましょうw
星野アイの存在感と喪失感がとにかくすごい
星野アイの存在感
第1巻の序盤では天才アイドル星野アイの大活躍と存在感が描かれます。
アイドルとしては大スキャンダルである妊娠・出産を隠したままトップアイドルにのぼりつめます。
無敵に思えるような言動をして全てを振り回す身勝手さも憎めません。
ビジネスでは非の打ち所がないほど完璧なのにプライベートでは抜けていて、それでいて心の奥がつかめない星野アイの存在感は唯一無二でした。
星野アイの死
そんな星野アイは突然亡くなります。
アイに子供がいることを知った狂信的ファンに刺殺されるのです。
それまでの幸福な雰囲気をひっくり返すほどの衝撃です。
このシーンで注目すべきはアイが抱くファンも含めた全ての人たちへの愛情です。
腹部を刺されたアイは罵詈雑言を吐きかける男に恨み言を返しませんでした。
ライブに来てくれていたこと、もらったプレゼントのことまで覚えており、「それでも愛したいと思っている」と伝えます。
この状況でこのセリフが出てくるということは、ファンへの愛も「嘘からはじまったけど少しずつ真実になりかけていた愛情」と考えています。
犯人の逃走後、出血が止まらないアイは最後にアクアとルビーに「愛してる」と伝えます。
本当の意味で愛情を知らないアイは、愛してるという言葉を心から言えないのではないか、と恐れていました。
無敵とも思える言動のアイの臆病さが見え、愛が嘘ではないと実感できたアイが安堵する姿に虚像ではない人間味を感じました。
その後ついにアイの目は輝きは失い亡くなってしまいます。
この場面は何回読み直しても泣きそうになります。
芸能界の内情や裏事情が新鮮である
「推しの子」では芸能界の懐事情や裏事情が新しい切り口で描かれます。
アイに続きアクアは役者として、ルビーもアイドルとして芸能界デビューします。
芸能界の配役がどうやってきまるのか、どんな役者が芸能界で重宝されるのか、など裏事情がわかります。
あくまで一例ですが、CMやドラマ・映画にこんな事情があるんだ、という発見もあるはずです。
登場人物に感情移入がとまらない
「推しの子」ではどのキャラにも感情移入してしまいます。
それは登場人物の過去の出来事や現在の人格ができる経緯を丁寧に描いているからなんですね。
特に有馬カナに着目してみると、現在の性格や考え方になるのも納得できるほどに掘り下げられています。
かつて天才子役ともてはやされましたが、その人気に増長し周囲を蔑ろにしていました。
しかし成長するにつれて仕事がなくなっていき、優しくしてくれた大人たちが少しずつ離れていくというトラウマを持っています
芸能界に残るために出演作品の調整役に徹し、歌手などの仕事にも手を伸ばし、人一倍の努力をして実力もあるのに仕事がもらえませんでした。
今日甘編ではそんな事情を知っている芸能関係者が都合よく有馬かなを利用していることも伺えます。
不遇な体験から現実主義になり、調整役に徹してきたことで流されやすい性格が形成されました。
そしてメインではないキャラにもスポットが当たります。
2.5次元舞台編では脚本家が限られた尺で舞台化するという制約のなかで原作の展開やキャラクターの性格を仕方なく変更します。
それを原作者である漫画家が「脚本全部直してください。キャラを変えるのは無礼だ」と激怒します。
マンガが映像化された時、視聴者である僕らは「原作と違ーう!展開も端折りすぎ!」と批判するときがありますが、製作者が渋々改変した事情があるのかもしれませんね。
作者の赤坂アカ先生はインタビューで「推しの子のメインテーマ」について以下のように回答しています。
みんながいい作品を作るために必死に頑張っているんだけど、いろいろなしがらみや慣習に縛られることで、結果的に幸せな形にならないことが多々あるんだよ、という実情を描きたいんです。
作り手と受け手側のディスコミュニケーションを少しでも埋められる漫画になったらいいな、と思いながら描いているところはありますね。
芸能人への過剰な報道姿勢や誹謗中傷への疑問が散りばめられている
「推しの子」では芸能界特有の報道や誹謗中傷を少なからず取り上げています。
序盤のアイの刺殺後のSNS上の誹謗中傷に激怒するルビー、熱愛報道をスクープされた有馬かなを慰めるルビーと斉藤さんの言葉からこの漫画で伝えたいことが伝わります。
限度を超えたプライバシーの侵害や誹謗中傷には疑問を投げかけています。
しかし、上記と同じインタビューで「芸能界の闇を取り上げるジャーナリズムを目的としてはいない」といった回答もしています。
芸能界の裏事情に関しては、お金が絡む資本主義で存在することは当然であると考えつつも、芸能人への過剰な報道や誹謗中傷を仕方ないことである、とは考えていないようです。
恋愛リアリティーショーでの振る舞いに誹謗中傷が殺到し自殺した人が実際にいます。
暴露系のガーシーみたいなひともいます。
老若男女関係なく半裸写真やラインメッセージがばらまかれたら、芸能人で慣れてるとかのレベルじゃないでしょう。
アイの死についてルビーの「有名税なんてのは芸能人が耐えるために使うセリフであって、人を免罪符に使うな!」というセリフが最高に好きです。
現実でも不倫報道やアイドルの交際発覚など本人の自業自得の話題がありますが、自殺に追い込むレベルの誹謗中傷や報道に関しては個人的に反対していきたいと思います。
まとめ
とりあえず単行本の第1巻を読んでほしい
芸能界の内情や裏事情が新鮮である
登場人物に感情移入がとまらない
芸能人への過剰な報道姿勢や誹謗中傷への疑問が散りばめられている
アニメ化されたばかりですが、原作では最終章までの種まきは終わり倒すべきラスボスも登
場しました。
連載開始から人気が右肩上がりの「推しの子」はこれから一層盛り上がります。
この調子で行けば単行本15巻〜20巻で完結するでしょう。
人を選ばず誰が読んでも引き込まれる名作です。
読み始めるなら今ですよ!
今日はこの辺で、またね。